台湾の有機栽培茶の基準

 現在(2003年4月)台湾では下記の5つの行政院農業委員會が委託した法人機構が有機栽培農産物に対しての認証を発行しています。
   
   ● 台湾寶島有機農業発展協會 (FOA)
   ● 中華民國有機農業産銷經営協會 (COAA)
   ● 國際美育自然生態基金會 (MOA)
   ● 台湾省有機農業生産協會 (TOPA)
   ● 財団法人慈心有機農業発展基金會(TOAF)

 茶農は任意でそれぞれの団体に加入し認証のための検査を受けます。これらの団体は下記の行政院農業委員會が定めた基準(有機農産品生産基準)に準じて有機栽培農産物の検証を行っています。また台湾の有機栽培には、その達成度により全有機栽培準有機栽培に検証が分かれており検証の基準もそれぞれ別となっています。(下記の表1をご参考下さい)

  (表1)
1.環境条件(共通) 農地土壌の重金属含有量が行政院環境署暫定の臺灣地区土壌重金属含有標準と等級區分票第三級標準に準ずる事を原則とする。特殊な事情が有る場合、相関資料を参照のうえ調査団を派遣し審議調整を行う。
2.雑草の管理(共通) 人力か機械によって雑草の駆除を行い、化学合成除草剤を使用しない。
3.肥培管理
 全有機栽培方式 定期的に土壌を採取し、土壌の正常性と肥力を分析し肥培管理の依拠とする。
自家製の有機質肥料・充分に発酵腐熟した堆肥・その他の有機質肥料な ど土壌環境ならびに土壌養分が改善されるものを使用する事。微生物製剤及び有機物複合肥料を含む化学肥料を使用しない。
 準有機栽培方式 定期的に土壌を採取し、土壌の正常性と肥力を分析し肥培管理の依拠とする。
主に自家製の有機質肥料・充分に発酵腐熟した堆肥・その他の有機質肥 料など土壌環境ならびに土壌養分が改善されるものを使用する事。茶樹に於いては窒素化学肥料を使用することが出来るが行政院農業委員會が定める窒素化学肥料使用量の20%を超えてはならない。
4.病害虫対策
 全有機栽培方式 栽培防治・物理防治・生物防治・種植忌避植物や天然素材防治等により病虫害の発生を防止する。
化学合成農薬を使用しない。また、人体に悪影響を及ぼすような植物性抽出物や鉱物性素材を使用しない。
 準有機栽培方式 主に栽培防治・物理防治・生物防治・種植忌避植物や天然素材防治等により病虫害の発生を防止する。茶樹に於いては芽葉の成長期は完全に化学合成農薬を使用しない。冬季の茶樹の休眠期間及び採茶が終わり次の茶葉の発芽前の時期に緊急に必要な場合にのみ行政院農業委員會が定める防治方法処理に準拠し化学合成農薬を散布する。
収穫・調製及び包装
(共通)
全有機栽培茶・準有機栽培茶は一般の茶葉とは分離して製茶・保存・包装を行う。有機農産品の収穫後に添加物や科学薬剤を使用してはならない。



 
    【参考資料】

台湾有機農業全球資訊網・有機農産品生産基準より茶葉に関する項を参考。

 2003年7月4日,COASをCOAAに修正。
 2003年8月28日、全有機栽培・準有機栽培について追記、表1を改良。